夏コミレポート99――三日目(だけ)――(1999.08.15)
……って書いておきながら実はニコンF3レポート(?)

 と、いうわけで今年も行ってきましたコミックマーケット!今年も今年で、自宅最寄り駅から横浜>新橋(東海道線)>国際展示場前(ゆりかもめ)のルートをたどっていったのですが、始発だというのにユリカモメは鮨詰め、オイルサーディン……というか人肉の缶詰状態でした。まあその状態で25分ほど揺られ会場に着いたわけですが、会場前は前日の大雨から嘘のように晴れ、たいへん良いお天気でした。
ええ、おかげで暑かったですとも!(開場待ちが)
 今回は私事+野暮用で合計4つの大手サークルと、数えるのが嫌になるくらい普通のサークルを巡ってきました。今年の傾向は多くの人が言う通り群雄割拠。ただ、私見ながら、Leaf系がより強くなったように感じました(すっごい人集りだったんです。Leaf系ブース全部が)。あ、後ONEやKanonもすごかったです。

 さて、今回コミケに行った目的はもう一つあります。ズバリ、写真撮影です。もっと簡単に言えば、コスプレ撮影ですね。今までもコンパクトカメラ片手にやってきたんですけど、今年はちょっと違ったのです。ついにOgurin、一眼レフカメラで撮影できるようになったのです。しかも機種があのニコンのF3!(註1)F3ですよ。前に日記で書いたキャノンの一眼レフは、露出計がないと上手く撮影が出来ないだろうと言うことで、父が自分のF3を貸してくれたのです。で、使ってみた感想ですが、やっぱりニコン!(註2)全てが違う!まずファインダー(註3)です。明るさ広さが全く違います。父のF3はハイアイポイントというモデルで、ファインダーから2,3センチ離れていても映っているもの全てを見ることが出来るようになっているので、さらに一眼レフのファインダーの広さというものが実感できたのでした。そして視野率。なんと100%です(註4)。普通コンパクトカメラで撮影すると、時々撮ったはずのないものが画面端にあったりするすることがあると思います。それはそのカメラの視野率、つまり実際に映っている像に対するファインダーが占める割合が低いからです( 註5)。これが100%のF3はつまり、目に映るもの全てを写真に収めることが出来るカメラと言えます。
 次にレンズです。いや、明るいのなんの。私が父に言われて持っていったレンズは標準の50ミリと中望遠105ミリ(註6)だったのですが、両方ともよく映るよく映る。ピントを合わせるとくっきりと像が浮かび、それでいて背景が綺麗にボケます。さすが見たままを取れる一眼レフ。コンパクトではこうはいきません。とにかく、標準レンズでコスプレイヤーの全身を撮り、中望遠でバストアップのポートレートを撮るように心がけました。これで上手く現像が出来ていれば幸いです。

 でも、本当に一眼レフカメラって良いですね。3時間ほど撮りまくっていてそう思いました。こうなったらもう、私の一眼レフを買わねばっ!ってやつです。

Ogurin

作者註

註1 ニコンのF3:1980年に発表され、今も売り続けられているマニュアルフォーカス(ピントを自分で合わせる)一眼レフカメラ。しっかりとした基本性能もさるものながら、その頑丈さはピカイチで、ダンプにひかれても壊れない(実話。いやマジで)。ニコンのフラッグシップカメラはFヒトケタであることが有名だが、このカメラも例に漏れず発売当時はフラッグシップモデルであった。
 現在はオートフォーカス(機械でピントを合わせてくれる。ありがたや、ありがたや)で化け物並の性能を誇るF5にその座を譲ってはいるが、その高い信頼性から未だに多くのプロカメラマンがメインカメラとして使っている。そのせいで私は、このカメラとシンクパッドを重ねてみるようになったし。とにかく、今じゃ大抵のカメラメーカーが、販売を中止しているマニュアルフォーカス機において、二十年近く経っても売り続けてくれるニコンの姿勢はえらいと思う。

註2 やっぱりニコン!:父の口癖。ついでに私の口癖にもなりつつある。やや重く、ごついが、丈夫で高性能な製品を作ることで有名(反面、その反対のコンセプトである商品を作るのは苦手)。言うなれば、カメラ業界のIBM。最近話題の製品はデジタルカメラのクールピクス950。

註3 ファインダー:言葉が英語のFindから来る通り、レンズに映っている被写体を見るためのもの。コンパクトカメラなどでは、レンズ部と別々になっているが、一眼レフは、プリズムを利用して、レンズに映っているものをそのまま見ることが出来る(だから一眼レフ=一眼レフレックス)。そういえば、創生期のデジカメにはこれが付いてなかったなあ……。

註4 100%:視野率が100%のファインダーというものは技術上非常に難しいもので、各カメラ企業の最高機種でもなければそう簡単には実現できない。F3が100%を達成しているのは、このカメラがかつてフラッグシップモデルであった証拠のひとつである。

註5 ファインダーが占める割合:90%以下でよくおこるそうである。実用上ならそれ以上、プロでも95%以上であれば問題ないらしい。

註6 標準の50ミリと中望遠105ミリ:どちらもニッコールレンズ(ニコン純正レンズ)。私の父は純正品主義者である。この血は脈々と受け継がれ、パソコン分野における私の部品純正品主義として顕在している。

おまけ:というわけで、かなりすごいF3なのだが、上には上がいた。私と同じF3を持っていたのは二人だけで、後は前述のF5やキャノンの最高機種EOS−1Nや同じくミノルタのアルファ−9、さらには業務用テレビカメラを持ち出して撮影する剛の者もいた。まったく、上には上がいるものである。いやはや。

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