フラッド
Hard Rain

DATE

1998年 アメリカ映画 97分
監督 - ミカエル・ソロモン

CAST
  • トム - クリスチャン・スレーター
  • ジム - モーガン・フリーマン
  • マイク - ランディ・クエイド
  • カレン - ミニー・ドライバー
STORY

 アメリカ中西部、ミシシッピー川流域では史上最悪の豪雨に見舞われ、川の水位は刻々と上昇していた。ハンティングバーグでは、住民たちは大洪水が押し寄せる前に避難。保安官マイク(ランディ・クエイド)たちを残し、無人となりつつある町で1台の現金輸送車が立ち往生していた。現金輸送車のガードマン、トム(クリスチャン・スレーター)は相棒のチャーリーと助けを呼ぶが、助けを待つ彼らにジム(モーガン・フリーマン)率いる強奪犯たちが襲い掛かる。銃撃戦となり、チャーリーを失ったトムは1人現金を持って保安官たちを残し無人になったはずの町へ逃げ込むのだが…。

解説

 洪水で沈みつつある町を舞台に、現金輸送車のガードマンと強奪犯たちの戦いが繰り広げられるパニック・アクション。一見ただのパニック映画にアクション要素を加えただけの映画っぽいが、主役のトム、強奪犯たち、町に残った保安官たちの人間ドラマとそこから生まれるドンデン返しが肝。…だと思うのだが、若干その辺の描写が中途半端かもしれない。(特にマイク。だがこの辺りは小説版では細かく語られていたりする)ちなみに水没する前の町のシーンはロケだが、洪水が始まってからの町はすべてセットで作られている。
 クリスチャンは主役のトム役。「ブロークン・アロー」に続く大型アクション映画への出演となり、序盤のジェット・スキーでガラスを突き破るシーンなど危険なシーンもスタントなしの体当たり演技をしている。が、「ブロークン・アロー」に比べると体型が体型なだけにイマイチ決まってない感がある。またこの作品の頃にはおでこの後退が一気に進んでおり、イケてない今作での髪型ともあいまってファン的には悲しい。ちなみにこの作品では主演のほか、アシスタント・プロデューサーも務めている。

ビデオ・DVD・関連書籍など
MY RATE (個人的5段階評価)
ストーリー ★★★★☆ : 4
ドンデン返し ★★★☆☆ : 3
クリスチャンの容姿 ★★☆☆☆ : 2
総評 ★★★☆☆ : 3
感想
…ネタバレ注意…

 この作品は私にとってはかなり思い出深い作品です。…というのが、クリスチャンにハマるきっかけとなったのがこの作品の映画公開時のCMだったのです。留置場で溺れるシーンの「ああこれからこの人どうなるの!?」という所でCMは終わっていたので、その続きが気になってしまいまして。その後なぜか映画館ではなく近所のレンタルビデオ屋で記憶を辿りながら、「確かこの人だったよな〜?」と「ブロークン・アロー」を借り、彼にのめり込んでいって現在に至るのでした。…しかし、その半年後ぐらいにようやくレンタルビデオ屋でこの作品を借りてみた時、「あれ?なんでこのクリスチャンに萌えたんだろう?」と疑問に思ってしまったり。だって「ブロークン・アロー」よりさらにおでこは後退してるし、なんだか変な髪形(留置場のシーンなど髪が乾いてるシーンだとよく分かります)だし、妙に太ってるし…(「ジュリアン・ポーの涙」、「バジル」に並んで太い)。CMで萌えた当時は「ブロークン・アロー」の彼と大差がないと思っていたのに…。とりあえず最初に観た時はそこがショックだったのですが、そう思っていても見慣れてしまえば、この映画の彼はやはりカッコ良く見えてしまうのです。…自己暗示?
 とりあえず驚いてしまったのが、洪水で沈んでいく町がすべてセットだということ。公開当時にメイキング風景がTV番組でとりあげられていたのを見ていたのですが、それでも「本当にセット!?」と疑うほどでした。使用された水もすごい量だったみたいで…、「そんなに水を浴びたら大事な髪の毛がっ!」なんていらぬ心配までしてしまったり。そういえば共演のミニー・ドライバーが冗談で、「スタッフが撮影に使ってる水のタンクにおしっこしてる」と公の場で言って、スタッフたちを怒らせてシカトされてしまったなんていう逸話もあったそうです。
 好きなシーンとしては、作品の前半の「追われるトムVS追う強盗団」、「留置場で溺れるトム」の2つが好きです。前者の方は追われるトム(クリスチャン)がいかにしてそれを回避していくか…、というのがハラハラドキドキで。特にジェット・スキーでガラスを突き破るところが、さすがスタントなしというだけあって迫力がありました。帽子も似合ってましたし。留置場で溺れるシーンは、勝手にこの映画の見せ場だと思っています。あの切羽詰まったクリスチャンの演技がなんとも緊迫感があって…。で、そのシーン中でもお気に入りなのが、机の上にある鍵(留置場ではなく車の鍵でしたが)にあとちょっとで手が届く、というシーン!のクリスチャンの顔ッ!!かゆいところに手が届きそう、と言いますか、「あっ、もうちょっと」っていうあの表情が最高に萌える!!一瞬しか写らないので、要一時停止。
 小説版読むと分かるんですけど、小説版では描かれてても映画では描かれていない人物の過去や心理状態などが多々ありまして…。そういうのがもっと映画のほうに盛り込まれていたら、もっとおもしろい作品に仕上がっていたと思います。欲を言えば、クリスチャンはトムではなくて、保安官マイク(ランディ・クエイド)役をやってもらいたかった!というのが、マイクには二十年も保安官として町に尽くしてきたのに、今回の洪水の前の選挙で落選してしまい、さらに町長をはじめ、あまり彼のことを良く思っていない人たちからの日々のストレスの蓄積もあって、洪水に乗じて現金を奪い去るという暴挙に出た、という背景があるのです。もちろんトムにも暗い過去があるんですが、私としてはクリスチャンならこの保安官役の方が向いていると思うのですよ。なので何年後かにでも、「洪水前の町で保安官として町の人々に尽くす〜選挙に落選〜洪水〜現金強奪〜死亡」という、保安官中心のストーリーにしてリメイクしてもらいたいなぁと、淡い期待を抱いてみる私でありました。

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