『里村茜の悩殺っ!』



「………………」
「どうしたの、茜。ため息なんかついちゃって」
「……最近浩平を起こしに行っているんですが、なかなか起きないんです」
「なーるほど――、どわーいじょーぶ、むわーかせて! 男なんてコスプレでイッパツよっ!  いい茜?ごにょごにょにょ……」



■ ■ ■



「……起きて。『浩平さん、起きて』」
 その、なにかがとてつもなく間違っている声で、俺は目を覚ました。
 ぼんやりとした目で部屋の中を見回す。すると、
 茜がいた。
 いつもの格好じゃなかった。
 茜は、
 茜は、いつものお下げを解いて、ポニーテールにした後、
それを白いリボンで纏めていた。
 で、何故か……。
「『にはは、浩平さん起きた。ぶいっ!』」
 見たことない学校の夏服っぽい制服を着て、手にはどきつい色の紙パックジュースを持っている。
 おまけにどえらく棒読みだった。
「『さ、浩平さん。学校行こう、学校』」
「……何やってるんだ、茜」
「――目、覚めましたか?」
 覚めたというか、醒めたわい。



■ ■ ■



「というわけで、浩平に変な目で見られるようになったんですが」
「あっれ〜? 折原君、ああいうのに弱そーだと思ったんだけどなあ」
「……詩子を頼りにした、私が馬鹿でした」
「あはははは、照れるなあ――」
「褒めてないです」



Fin.







あとがき



以前茜スレにあげたものを2/3ほど描き直して、即興で仕上げました。
お目汚しにならなければこれ幸い。
そんな訳で、<<里村茜>>に1票!

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