超警告。リトルバスターズをクリアしていない人は
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このお話は、史上希にみるすさまじいまでのネタバレ前提で書いてあります。

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「アニメでも炸裂させるぜ! 筋肉旋風(センセーション)!」
「いや、しなくていいからね。……しそうだけど」

















































  

  


「相談がありますの!」
 神北小毬さんの部屋を訪れるなり、笹瀬川佐々美さんはそう言った。
 夏休みを目前に控えた、夜。小毬さんのルームメイトは夜遅くまで部活に関する会合があるとかで、出かけている。
 なんでそんなことをこの僕、直枝理樹が知っているのかというと――その、今ちょうど小毬さんの部屋にいるわけで。
「あ、あら? お邪魔だったかしら?」
 小毬さん以外の人がいるとは思わなかったのだろう。案の定というかなんというか、笹瀬川さんは躊躇した。
「ううん、そんなことないよ? さーちゃんならいつでも大歓迎、だよー」
 と、いつものほんわかしたスマイルを浮かべて、小毬さんは笹瀬川さんを招き入れる。
「そ、そうですの? それでは遠慮なく……」
 時折見せる繊細さを表に出して、笹瀬川さんは小毬さんの部屋へと足を踏み入れた。
 そして、小毬さんがお茶会用に常備している小さなちゃぶ台(ちなみに僕の部屋の場合は段ボール箱)におずおずと座ると、自信なさげな様子で僕を見て、
「ええと――直枝理樹、ですわよね?」
「うん、そうだよ……」
 いささか遠い目になって、僕はそう答える。
「なんでそんな格好をしていますの?」
「それは――できれば訊かないで欲しかったな……」
 でも、訊かざるをえないのだろう。それは、僕自身がよくわかっている。うなだれた僕の頬を、ウィッグによって長くなった髪がさらりと撫でた。



『プールサイド・コレクション』



 称号を考えるのが面倒くさくなったというのもあるらしい。
 とにかく、バトルのルールにおいて、負けた側が称号をつけられる代わりに、相手の要求をひとつだけ飲むというルールが唐突に追加された。
 発案者は来ヶ谷さんで、それに葉留佳さんと真人が賛同。最終的に恭介が、まぁいいんじゃないか? と言ったためそのまま可決されたのだった。
 その際僕は、来ヶ谷さんがニヤリと笑ったことと、今のバトルランキングがどうなっているのかを失念していた。いや、失念してしまっていた。――もっとも、気づいていたからと言って、どうにかできるものでもなかったと思うけど。
 それから数時間と経たずに、僕は来ヶ谷さんからバトルを申し込まれた。
 なんか嫌な予感がする中、いつもの通り周囲から色々なものが投げ込まれ、僕はヌンチャクを手に取ることができた。これは、比較的武器らしい――というか武器だ。これなら勝てるかもしれない。そう思って来ヶ谷さんをみてみると、その手には双牙刀とかいう柄の左右に刀身がある冗談みたいな日本刀――の模造刀が握られていた。
 開始20秒で、僕は負けた。というか、よくもまぁ20秒も持ったものだと思う。
 こうして僕は来ヶ谷さんの要求をひとつ飲むことになり……その結果『一部の隙もない女の子』にされたのだ。
 そしてその直後、ランキングが下がった僕のすぐ下になった小毬さんから、バトルを申し込まれた。
 再び野次馬から大量の武器候補が投げ込まれ――僕が手にしたのは真人を象ったマネキン人形だった。
 これは扱いが難しい――っていうか何で真人? そう思いながら小毬さんを見てみると、何故か鈴をお姫様だっこしていた。信じ難い話であったけど、誰かが生身の鈴を投げ込んだのだという。
 そういうわけで、開始20秒で僕は負けた。最初の10秒で鈴は真人のマネキンを徹底的にボコボコにし、残りの10秒で僕を巻き込んでボコボコにしたのだ。
 こうして僕は、小毬さんの要求を飲むことになった。
 もうどうにでもなーれと思っていたけれど、そこはさすが小毬さんというかなんというか、至極単純な要求だった。
 今日一日中、ずっと側にいて。
 というわけで、僕は女装した上でこうして小毬さんに付き添っているのだった。
「……な、なるほど」
 話してみたら割と長くなってしまったけれど、笹瀬川さんは僕の話をちゃんと聞いてくれた。
「難儀ですわね、直枝理樹」
「あ、うん。ありがとう笹瀬川さん……」
 女子寮に入ったというのに誰も僕を見咎めないところが、なんだか哀しかった。あの風紀委員の二木さんですら、僕の顔を一瞬みただけで、すぐに目をそらしたくらいだ。
「それでさーちゃん、今日はどうしたの?」
 新たに笹瀬川さんの分のカフェオレを置きながら、小毬さんがそう訊く。
「すっかり忘れていましたわ! 相談事がありましたの!」
 勢いを取り戻さんとばかりに気勢を上げて、笹瀬川さん。
「神北さんは、今日の水泳の授業、参加されましたわね?」
「うん、もちろんですよー」
 その水泳の授業は、夏休み前のテストがすべて終わった後の生徒の慰労として生徒自身に好きにさせているもので、プールで好きなだけ泳いでも良いし、プールサイドでずっと本を読んでいてもいいという、かなり自由度のあるものだった。だった。もっとも、一応は授業という形になるので今日を入れて三日間、必ず参加しなければならないのだけれど。
「棗鈴の水着、御覧になりまして?」
 そして、着用する水着も学校指定のスクール水着ではなく、私用に使うもので良いとされていた。だから大抵の生徒は自分の水着を着て参加することがすごく多かった。もっとも、鈴は去年までスクール水着のままであったけれど。
 ――そう。去年までは、だ。
「あー……鈴ちゃんの水着、とってもかわいかったねぇ」
 と、小毬さん。
 今年の鈴の水着は、なんと白のビキニであったのだ。しかもただ白いだけというわけではなくて、トップの真ん中には猫の足跡をモチーフにした飾りがついているという、お洒落度も高いワンポイントもあしらわれていた。
「でもあれ、ちょっと露出が多かったんじゃないかな――?」
 繰り返すけど、生徒による自主的なイベントに近いため特に怒られはしなかった。けど、なんというかその――学校の指定のスクール水着より、随分と布地が少なかったと思う。
「きっと、誰かに見せたかったんだよ」
「誰かって――誰にさ?」
「それは……私からは内緒としか言えないのです」
 ちょっと困った顔で、小毬さんはそう答えた。
「――ああ、そういうことですの」
 続いて、笹瀬川さんがそんな呆れた声を出す。
「え、笹瀬川さんは今ので鈴が誰に見せたかったのかわかったの?」
「……鈍すぎですわね、直枝理樹」
 え? え?
「うーん。まぁそこが理樹君のいいところでもあるからねぇ」
 小毬さんが、苦笑しながらそう答える。どうも、ふたりの間では今の会話ですべてがお見通しのようだった。
「それで、あの鈴ちゃんの水着よりも似合う水着にしたいの?」
「そ、そういうことですの! わたくし、今回少し恥ずかしいのを我慢してビキニにいたしましたのに、棗鈴の水着はそれを上回っていたんですもの!」
 詳しく話を聞いてみると、笹瀬川さんの水着は深い紫色のセパレートであったらしい。
「どちらにしても、このままではいられませんわ!」
「また、勝ち負け?」
 小毬さんがそう言うと、笹瀬川さんは一度だけ大きく首を横に振って、
「違いますわ。これは女と女の意地の張り合いですのよ!」
「それなら、おっけーですよ〜」
「それならいいんだ!?」
 よくわからない小毬さん基準だった。たぶん、なにかしらの意味はあるのだろうけど。
「というわけで、協力してくださいますわね?」
「うん。おっけ〜ですよー」
 そういって、小毬さんは机の上から水着のかなり分厚いカタログを持ってきた。
「それでさーちゃんは、どんなのにしたいの?」
「それが……お恥ずかしい話ですけれど、基本方針が決まらないのですわ」
「それじゃ、鈴よりもすごい水着にしてみたら?」
 仮に露出度で負けたということなら、それで一挙解決になると思う。
「残念ながら、布地をこれ以上減らす作戦では勝ち目がありませんわ。だって――」
「だって?」
「だって、棗鈴の方がバストが豊かなんですものっ……!」
 え、ええと……。
「理樹君ー? 女の子の胸元を見比べるのは、エチケット違反なのです」
「わ、ご、ごめん!」
 そのつもりはなかったんだけど、つい僕の視線が動いてしまったことに、小毬さんはいち早く気がついていた。
「一応忠告しておきますわ。女性というものは、自分のどこに視線を向けられているか、わかるものですのよ?」
 続いて、笹瀬川さんからも叱責の声が飛ぶ。
「ご、ごめんなさい……」
「あ、でも理樹君がそこらへんに敏感になっちゃったら、完全に女の子だねぇ」
「やめて! これ以上僕を女の子にしないで!」
 ふたつにまとめられた長い髪をヘリコプターのローターのようにぶんぶんと振り回し、僕はいやいやと頭を振った。僕にとっては、割と必死なのだ。
「なんだか、すごい表現ですわね……」
 と、笹瀬川さん。
 ……うん。指摘されて冷静になってみると、とんでもないことを口走っていると思う。
「ごめん笹瀬川さん、今の忘れて……」
「頼まれなくても忘れますわよ」
 呆れ気味にそう言う、笹瀬川さんだった。
「それよりも、水着のコンセプトを考えてくれませんこと?」
 あ、そうだった。
「鈴ちゃんバストサイズで負けたと思うなら、パッドでも入れる?」
「底上げするのはちょっと――神北さん、なにか良い豊胸体操とかありませんの?」
「うん? ほーきょーたいそーって?」
「ええと……胸が大きくようになるための体操――だったかな」
「い、意外に詳しいんですのね、直枝理樹」
 ちょっと距離を置くような感じで、笹瀬川さん。
「あぁ、うん。来ヶ谷さんの、おかげでね」
「あぁ……」
 ちょっと遠い目になってしまった僕に対し、思いっきり納得する笹瀬川さんだった。いやまぁ、事実なのだけど。
「そういえば、好きな人に揉んでもらうと大きくなるってゆいちゃんが」
「宮沢様にそんな破廉恥なこと頼めませんわっ!」
 というか謙吾の場合鼻血を吹いて倒れちゃうような気がする。或いは、一目散に退散するかのどっちかだ。
「というかそれも来ヶ谷さんですのね……。あの方、学業の成績はご立派ですのに、普段の言動はそればっかりなのですわね」
「可愛いものが好きだって、公言しているからね――」
「うーん」
 そんな僕らのやりとりから離れ何事かを考えていた小毬さんはぽつりと、
「でも胸ってそんなすぐに、大きくならないんじゃないかな?」
「成長期ならともかくね……」
 当然といえば、当然の話だった。
「こ、これからですのよっ! まだまだこれから!」
 そう言う笹瀬川さん自身が、よくわかっているのだろう。その口調とは裏腹に、表情ではどこか諦めたような色が浮かんでいた。
「でもねさーちゃん、おっきいはおっきいで大変だよ? 特に身長と合っていないとお店で買うときに苦労するし、なにより可愛いのが着られなくなっちゃうのです……理樹君も、経験あるでしょ?」
「いや、僕にはそんなもの無いし」
「じゃあ」
 小毬さんの視線が下を向く。僕の、スカートに覆われた足の付け根付近を――。
「って、どこ見てるのさっ!」
 両脚をぴったり閉じて、九十度横を向く僕。もちろん背中を小毬さんに向ける。
「今の反応、年頃の女性より女らしいですわね……」
「褒めてくれているんだろうけど、それ全然嬉しくないからね……っ」
「もうそのまま、女の子になっちゃいなよ、ユー」
「やーめーてー!」
 っていうか、さっきから笹瀬川さんの水着の話題より、僕の女装ネタで盛り上がっているような気がする。
「話を元に戻そうよ。とりあえず露出度を上げるのもダメ、スタイルをよくするのは無理ってことなんだから……可愛い水着を着てみるってのはどう?」
「うん、着眼点としてはすごくよいものなのです」
 そう言って、小毬さんがぱらぱらとカタログをめくり、そのジャンルの水着を次々と見せてくれる。
「わ、わたくしにこういうひらひらしたものは――正直、似合わないと思いますわ」
 ちょっと赤くなって、笹瀬川さん。
「うーん、そうかな?」
「結構似合うと思うけどね」
 でも、本人が嫌だというのなら無理に着せても意味がないだろう。
「でも、かわいい系も駄目だと、どうすればいいのかな?」
 小毬さんが、小首を傾げる。
「来ヶ谷さんだったら、『旧型スクール水着だっ!』とか言いそうだよね」
「そういうマニアックなのもちょっと――」
 容易に想像がつくのか、眉根を寄せる笹瀬川さんだった。
 それにしても、この問題は結構難しい、笹瀬川さん自身はスレンダーで運動神経も抜群なんだからどんな水着も似合うと思うけど……うん? 運動神経抜群?
「……そうか」
 僕は、ひとりで頷いていた。
「なにか、アイデアでも浮かびましたの?」
 即座に笹瀬川さんがそう訊く。
「うん。今浮かんだんだけど、『大胆』とか『かわいい』じゃなくてもいいんじゃないかな? 要は『さすが笹瀬川さん』って思ってもらえればいいと思うんだ」
「うん? それって――」
「どういうことですの?」
 小毬さんと笹瀬川さんが、相次いでそう訊く。
「いや、だからさ……要するに、ソフトボール部の次期キャプテンで、エースであることが見るだけでわかる格好にすればいいんじゃないかな?」
「ん? ユニフォームで泳ぐの?」
「いやいや、それじゃただの仮装だからね」
「というより色物枠ですわ」
 ある意味先ほどの旧スクール水着よりマニアックですわよ。と言う笹瀬川さんに僕は、
「笹瀬川さんって、泳ぎにも自信があるんでしょ?」
「ふっ、当然ですことよ!」
 その質問に、豊かな髪をさっとかき上げて、笹瀬川さんは断言した。
「だったら、それをよりアピールすればいいんだよ」
「な、なるほど――!」
 ぽんと、笹瀬川さんが手を打つ。
「だとしたら……これなんか、どうかな?」
 そういってカタログの1ページを指さす小毬さんに、僕と笹瀬川さんは額を寄せ合って見つめた。
「あ――」
 笹瀬川さんが、目を輝かせる。
 なるほど、これなら……。



 そして、次の日。
「佐々美様、素敵ですっ!」
「とってもとってもお似合いですっ!」
「なにか色々ともてあましてしまいますっ!」
 笹瀬川さんの新しい水着はほぼ全身を覆う形となる競泳水着だった。
 全身を覆うと言っても、それはタイツのようになるわけではなく、幾何学的な模様と部分ごとに生地の色合いや伸縮具合が微妙に異なっているので、まるでスピードスケートのユニフォームみたいに見える。
 それにしても、よくもまぁ一晩で用意できたものだと思うけれど、笹瀬川さん曰く小毬さんを通して来ヶ谷さんに調達を協力してもらったらしい。それなら、十分にあり得ることだった。
「反応は上々ですわ、直枝理樹!」
「うん、そうみたいだね」
 そこへ、鈴がたまたま通りかかる。
「あ、あら棗鈴、なかなか素敵な水着ですわね!」
「昨日も同じことを言わなかったか、さささみ」
 うん、そこはさらっと流して欲しい。
「わたくしあなたに触発されて、ちょっと水着を変えてみましたの。いかがかしら?」
 笹瀬川さんがそう言うと、鈴は頭の上からつま先まで、笹瀬川さんをじっくりと見つめて――。
「――うん、いい装備だな」
 そ、装備……?
「ふふふふふ……ほほほほほっ! そうでしょうとも!」
 ――ああ、あれで良かったんだ。
 なんというか、ふたりの間柄がよくわかる一瞬であったと思う。
「さーちゃん、よかったねぇ」
 その様子を見ていたのだろう、小毬さんが僕らに近づいてそういった。「こ、小毬さん……」
 鈴以上に、目のやり場に困る僕。
「こ、これはまた……」
 笹瀬川さんも息をのむ。
 そう、小毬さんは――。
「うん、鈴ちゃんに触発されて、ビキニにしてみましたー!」
 淡いピンク色のそれは、小毬さんに良く似合っていた。
 そして小毬さんは鈴や笹瀬川さんと比べて――いや、リトルバスターズの中でもかなりスタイルが良い方だ。それ故なんというか――色々と、すごいことになっていた。
 これじゃあ笹瀬川さんがショックを受けるのでは……と思ったけど、当の本人は最初こそ驚いたもののすぐに泰然とした様子になって、
「ふふ――なかなかにお似合いですわね」
「ありがとう、さーちゃん」
 お互い、笑い合っている。
「小毬さんのは、いいんだ」
「ええ、まず勝ち目はありませんわ。それに……わたくしはわたくしの道を行く。それでいいんですの」
「――なるほどね」
 つまり、ジャンルが違えのならそれで良いと言うことなのだろう。
 短期間でそこまで達観できるというのは、それだけですごいと思う。
「それじゃ、理樹君、さーちゃん、わたしは鈴ちゃんと一緒に泳いでくるね――ふえっ!?」
 突如、プールサイドに足を引っかけて、そのままプールに転落する小毬さんだった。
「か、神北さん!? 大丈夫ですの?」
 即座に笹瀬川さんが動き、水面から浮かび上がってきた小毬さんの手を引っ張る。
「あ、ありがとさーちゃん……あー、びっくりした――」
 見ていた僕もびっくりした。おそらく、笹瀬川さんもだろう。って――!
「小毬さん! 紐! ビキニの紐が解けかけてる!」
「え? あ……」
 お互いの手を握っていたため、小毬さんも笹瀬川さんもすぐには動けなかった。それゆえほどけてしまった水着の上は、そのままはらりと落ちて――、
「ほわあーっ!?」
 小毬さんの悲鳴が、辺りに響きわたったのだった。
 ――後日、真ん前からみてしまった僕に、小毬さんを『お婿さん』にしなければならないという超難関ミッションが下されることになる。そのミッションは艱難辛苦を極めて意外な形で着地するのだけれど……それはまた、別の話。



Fin.




あとがきはこちら












































「さぞかし綺麗なピンク色だったのだろうな。くくくくく……」
「姉御姉御、来ヶ谷アワー始まってますヨ」
「む? あ、いかん」
「わふ、なにがピンク色だったんですか? 来ヶ谷さん」
「……能美さん、それは訊かない方がいいと思います」
「うん。こまりちゃんは、きれいなピンク色だ」
「りりり鈴ちゃーん! なに言っているの鈴ちゃーん!」
「――思わぬところから収穫があったな。それはさておき、今回のお題はある意味非常にホットな話題だ。現在絶賛放送中である我々のアニメについて、してほしいことを述べて欲しい」
「今のところ、出演されたのは棗さん、神北さん、三枝さん、そして来ヶ谷さんですね。……わたしも、一応映ってはいますが」
「その点については、まさか私が君やクドリャフカ君より先に出てくるとは思っていなかったので、ちょっとびっくりしたがね。というわけでトップバッターは西園女史にしようか」
「そうですね……あの子がちゃんと映っていれば、それで良いと思います」
「思った以上に控えめだな。もう少し欲を出しても良いだろうに」
「……では、やはり恭介さん×直枝さん、直枝さん×恭介さん、宮沢さん×直枝さん、直枝さん×宮沢さん、そして井ノ原さん×――」
「私が悪かった。……というか、本当に実現したら怖いだろう」
「おおお、みおちんすごっ。あの姉御が謝りましたヨ……」
「かけるってなんだ。コンビ漫才でも組むのか?」
「コンビですか――ある意味そうかもしれません。ただし――」
「ストップストップ! みおちゃんストップ!」
「性別が逆なら、おねーさん何も言わないんだがな」
「姉御も恐ろしいことをさらっと言わないでくださいよ」
「では、葉留佳君はどうかね?」
「え、あー、私? ううん……おそらく私のシナリオはある程度なぞると思うから――そこにうまく佳奈多を絡ませて欲しいかなーってかんじですかな。できれば、私と佳奈多で一本の話にしてくれると嬉しいけど」
「なるほど。それは興味深いな。では次、クドリャフカ君」
「わふっ! 私は後数時間で登場みたいなので特にありませんが――みなさんに見せ場があれば良いと思うのです。あと、ヴェルカとストレルカに活躍の場所があると最高なのです!」
「ふむ、付け加えるとすれば、君の母と祖父のビジュアルが気になるところだがね」
「そういえば、姉御はどうなんです?」
「私か? 私としては、小毬君のドーナツイベントがちゃんと進行すれば文句は言わぬよ。ただし、不必要に見切れることがないように、という前提でだがね」
「あー、PSP版のドーナツイベントを見ていた姉御、顔が仁王像みたいになってましたもんネ」
「年齢制限上、難しいところだったのだと無理矢理納得させたがね。まぁ、アリクイさんがしっかり映っていたんだ。期待させてもらおう」
「うわーん! そういえばお茶の間のみなさんにみられてた〜!」
「わふー、もう一週間経っているのです……」
「能美さんもシナリオ通りに進めば、お茶の間のみなさんに――」
「わふーっ! そういえばそうでしたーっ!」
「……なんで私ら、エクスタシーでもないのにエーロティックな話題に盛り上がっているんですかネ?」
「それは私がそっちも話題も大好きだからだ!」
「うわぁ……言い切りましたね姉御……」
「さて、小毬君はいかがか?」
「私? うーん、可愛い理樹君に期待なのです!」
「うむ! それは私も気になるところだ! 各媒体で少年の女装姿が微妙に異なっているからな。アニメオリジナルのその姿がどんな風になっているのか……ふふふ、実に興味深い」
「姉御、ヨダレヨダレ……」
「おっと。さて、トリは鈴君だ。どうぞ」
「とくにない」
「ほう?」
「せっかくのアニメだからな。黙ってみているのが一番だ」
「――なるほど。その見方も真理のひとつだな」
「それじゃさっそく、お茶を淹れてくるのです!」
「私はお菓子もってくるよー!」
「ではわたしと三枝さんは、座布団かクッションを持ってきましょう」
「荷物運びなら任せろー!」
「ふむ、ではおねーさんたちも移動開始とするか。私自身、楽しみでもあるからな」




































あとがき



 お久しぶりのリトルバスターズでした。
 もっとも、私にとっては諸事情でお久しぶりというわけでもなかったのですが……それはさておき、アニメですよアニメ!
 というわけで今回はアニメに併せて大急ぎで作ったため、作中の季節が夏になってしまいました。どうにかして冬にすることも考えたんですが……やっぱ水着は夏ですよね!
 さて次回は――なににしようかな?

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