超警告。CLANNADの隠しシナリオをクリアしていない人は
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このお話は、史上希にみるすさまじいまでのネタバレ前提で書いてあります。

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ガンガンスクロールさせてください。







































「みんなで汐ちゃんのコスプレしてみたけど……ほんと、動きやすいわね、これ」
「藤林先生とはファッションセンスが似ているせいか、あまり違和感ないですね」
「Tシャツとスパッツか……。私も現役時代は女らしい格好に拘らず、こういう格好をしていれば良かったかもしれない」
「師匠が着るとその――すごく、活動的です」
「ちょっと身体の線が出過ぎちゃって困るの……」
「ことみちゃんは、まぁしょうがないかなぁ」
「逆に風子は全く出ないんですが」
「ふぅさんは……まぁ、しょうがないよね」
「でもなんだか、若返ったような気がしますねっ」
「そう言う早苗さんが一番若々しく見えます……わたし自身を含めて」



「しおちゃん……」
「……うん、皆まで言わなくてもいいから」
「どうしてここまで似合わないんでしょう?」
「うーん、わたしに言われてもなぁ……」









































































































  

  


「そういえば、さ。高校卒業してから、汐ちゃんってスパッツ穿かなくなったよね」
 と、週末に遊びに来た春原は唐突にそう言った。
「お前は俺の娘のどこを見ているんだ」
 飲んでいた湯呑みをちゃぶ台に置きながら俺がそう言うと、春原はだってさ――と反論し、
「なんか気になるじゃん。長いこと着けていたものを見なくなるとさ。例えば杏や委員長のリボン、あれを急に見なくなったら岡崎だって不思議に思うだろ?」
「……ん、まぁそうなるだろうな」
 後は智代の黒いカチューシャ辺りになるのだろうか。っていうか――。
「でもそれだったらあれだ、渚の髪飾りを指摘しろよ」
「だってそれ、使い始めたの確か高校生の真ん中辺りからでしょ。それに、今も着けてるじゃん」
「そういやそうだな」
「良く見ていますよね、春原のおじさま」
 そこで、春原がおみやげに持ってきた塩羊羹を切っていた汐が居間に戻ってきた。
「まぁ、汐ちゃんみたいな可愛い女の子の記憶には、自信があるからね」
 と、格好を付けて春原がそう答える。
「で、話を戻すけどなんでスパッツを穿かなくなったの? スカートの丈が長くなったとかならわかるんだけどさ」
「今も穿いてますよ、ちゃんと」
 そう言って、汐は正座したままミニのプリーツスカートをまくりあげた。
「ほら……ね」
 演劇部で培ったのだろう、意図的に妖艶な笑みを浮かべて、汐。
 些か情けないことに、生唾を飲んでしまう俺達。
 言うまでもなく、スカートの中身はスパッツだった。ただし、以前穿いていたものより、丈が随分と短い。……そういえば、ちょっと前にも見たっけか。
「これ、マイクロスパッツって言うんです」
 そうそう。確か、そのときもそう言っていた。
「……あ、うん。それはわかったけど――。汐ちゃん、ミニスカでそういうのはやめなよ。僕も岡崎も心は野獣なんだからどうしても見ちゃうよ?」
「お前と一緒にするな」
 そこは重要なので、すかさす訂正する俺。
「んじゃ岡崎は見ないんだね?」
「俺はお前と違って紳士だからな。……まぁ見るが」
「それ、野獣と変わりませんよねぇ!?」
「うるさいな、俺は野獣という名の紳士なんだよ!」
「どっちみち野獣なんじゃない」
 呆れたかのように両手に腰を当てて、汐がそう言う。



『彼女の、モノクロームなファッション』



「しかしまぁなるほどねぇ……丈が短いからスカートが短くても目立たないってわけか」
 汐に切ってもらった塩羊羹を楊枝で摘みながら、春原は感心したようにそう言った。
「見つけたときは、『あった! これだーっ』って気分でした」
 裾の処理に、いつも困っていたんです。と、汐。
「やっぱりあれ? 杏や智代みたいに派手に動いていたり、スカートが短いことは自覚していたんだね」
「一応わたしも女の子ですから。おとーさんに見られるのならともかく、不特定多数の人にあらぬものを見られたくないですし」
「お、岡崎ならいいんだ?」
 随分と愉快そうに、春原はそう混ぜっ返す。
「そりゃまぁ、子供の頃から見られているようなものですし。意図的に見られたら嫌ですけど、こっちのミスで見られちゃった――とかならまぁ、許容範囲内です」
 こっちもこっちで、あっけらかんと汐。
「でも、これなら見えても大丈夫でしょ。おとーさん?」
「ん、あぁ……まぁな」
 どっちかというとスカートの中身よりそれがめくれて見えそうと言うシチュエーションにどきどきしてしまうのだが、それは黙っておく。汐に怒られそうだし、第一今夜枕元で渚にも説教されかねない。
「それにしても、さっきのは一瞬汐ちゃんがトランクス穿いてるのかと思ったよ」
「どっちかというとブルマな」
 さらに裾が短くなったら、そうなると思う。もっとも、そこまでいくとスパッツの役割を果たせないような気がするが。
「ふたりとも、目尻が下がっていましたよ。特に、おとーさんはね」
 男の人ってそういうとこ、あるよね。と、汐。
「ほーう、そういうことをいうのか……」
「だって、おとーさんが一番そう言う感じの貌しているんだもん」
 決めた。多少心外なので反撃を試みることにしよう。
「まぁエーロティックなラッキーイベントが無い訳じゃなかったからな。例えばお前が初めてスパッツを穿いたとき――」
「――! わーわー! やめて!」
 いつぞやのことか、思い出したのだろう。汐が急に騒ぎだす。だが、もう遅い。
「なに、なにがあったのさ!?」
「聞かなくていいんですおじさま! 大したことじゃないんですからっ!」
「そうそう、パンツ穿かなかっただけだよな」
 途端、春原の貌がスタイリッシュになった。
「なん……だと……!」
 こう言うのを顔芸と言うらしいが、正直ここまでわかりやすいと少し習ってみたくはなる。
 そして汐はというと――。
「わぁーっ!」
 頭を抱えて畳の上をごろごろと転がっていた。
「で、でも、なんで!?」
 暑さもだいぶ和らいできたというのに、額の汗を拭いながら春原がそう訊く。
「自転車とかに使うレーサーパンツと間違えたんだよな、確か」
 みゃーだかにゃーだか唸りながらのたうち回っている汐を後目に、俺はそう解説してやった。
「ああ、まぁ確かに似ているけどさ……教えてやりなよ、岡崎」
「いや、俺も良く知らなかったし、汐がいきなり「似合う?」って言ってきたんだし」
「それで、具体的にいつのことさ?」
「小学六年生だっけか?」
「五年生の頃よ」
 一瞬だけごろごろをやめ、的確にそう答える汐。案外、それほどダメージはないのかもしれない。
「うう……今更わたしの黒歴史を掘り出さなくても……」
「人をエロ親父扱いするからだよ。前に言ったろ? 佳かれ悪しかれお前のやったことはお前自身に返ってくるって」
「そういえば……そうだった……」
 転がりながらも素直に反省する汐に、俺もちょっとやりすぎたかなと反省する。
「それで、スパッツの前はどうしていたのさ?」
 妙味深そうに両肘をちゃぶ台の上に乗せて、春原がそう訊く。
「外を駆け回る時はズボンを穿かせていたんだよ。ただまぁある程度成長したら自分で服を買うようになるだろ? 汐に自分で服を選ばせるようにしたのも小学五年生になった辺りだったんだ」
 つまり、汐のスパッツは俺が用意したものではなく、自分で選んだものとなる訳だ。
「なるほどねぇ、汐ちゃんが自分で考えたファッションってわけだ」
 感心した様子で、そんなことを言う春原。
「ファッションって――そんなに複雑なものじゃないですよ」
 ようやく落ち着いて転がるのをやめた汐が、横になったまま少し照れた様子で、そう答えた。
「ところでさ岡崎、どうやって気づいたの……その、パンツ穿いてないって」
「ああ、それはだな」
「いやーっ!」
 汐の絶叫が、辺りに響きわたる。
 ……ううむ、流石に可哀想になってきた。この先はまた今度の機会になとか言って誤魔化そう、そう思ったとき――。
「こんにちはー、朋也居る? ……って、どうしちゃったのよ汐ちゃん、なんか真っ白に燃え尽きたみたいに目が虚ろよ?」
 こちらも春原と同じくらいの腐れ縁であり、汐の恩師である杏が遊びに来たのであった。
「いやなに、ちょっとスパッツの下になにも穿いてない事件の話をだな」
「あー、風子がじゃれついてスパッツ脱げたところを朋也が見ちゃって鼻血噴いたやつ?」
「なんで知ってるんですかっ!」
 がばりと起きあがって、汐がそう叫ぶ。
「この前風子が得意気に教えてくれたわよ?」
「うそおおお!?」
 割と幼少期のプライベートが筒抜けな、我が娘だった。
「ふくよかであり、張りもある――いい尻だった!」
「それって、羨ましすぎますよねぇ、岡崎っ!」
「いちいち言わないのーっ!」
「……っていうか、あんた達わざと言ってるでしょ。汐ちゃんのリアクション目当てで」
 流石は教職の杏、鋭い指摘だった。
「っていうかちょっとふぅさんとこに行って、止めてくる!」
 勢いをつけて立ち上がり、必殺技を放つ直前のようなポーズを取って、汐。だが、
「風子、ここに参上していますが」
 杏の陰に隠れる形でいた当の本人である風子が、ひょっこり顔を出し、汐は派手にこけたのであった
「なん……で……」
「たまたま藤林さんと商店街で会ったので、特に目的がなかった風子は汐ちゃんの顔を見に来ようかと。特に、卒業してからは日中顔を合わせづらくなりましたし」
 ――なるほど。確かにそうだった。
「それにしても、あの忌まわしい事件ですか。あのときは初めてセクシーな汐ちゃんを見たので、風子つい興奮してしまいました」
 忌まわしいというか、悩ましいというか。
「なんなのさ、そのセクシーって。小学生でしょ?」
 呆れた様子で春原がそう言うと、風子は人差し指を天井に立てて、
「春原さんもびっくりしませんか? 初めて出会ったときはあんなに小さかった汐ちゃんが急に艶やかになったら……」
 春原の目が少しだけ遠くなった。おそらく、汐の幼い頃を思い出しているのだろう。
「……そりゃ、僕だって汐ちゃんが成長していく度にドキドキしたもんだけどね。って風子ちゃん? おーい?」
 風子は旅立っていた。どうも、脳裏に映る汐のセクシーショット集に見て大変ご満悦な状態であるらしい。
「もう、レギンスに鞍替えしようかな……」
 もうどうにでもなーれと言った様子で、ぽつりと汐。
「やめといたら? あれはスパッツより布地薄いの多いから、透けて見えちゃうことがあるわよ」
 と、杏。
「風子はタイツをお勧めします。夏は蒸れて酷いことになりますが」
 唐突に戻ってきた風子が、そう言う。
「春原のおじさまは?」
「僕は現状維持を推すね」
 ぐっと親指を立てて、春原。
「おとーさんは? なんかない?」
「俺か? 俺は……」
 ちと考える。
「スパッツを、穿かない。これで万事OKだ」
「――その、こころは?」
「いつまでも、俺だけにパンチラをしてくれば、それでいい!」
 直後、俺は杏と汐のツープラトンアタックを食らったのだった。



Fin.




あとがきはこちら










































「あたしと椋がリボン取ると、じっと見ない限り区別つかないって言われるのよね」
「…………なるほど、そうだな」
「ちょ、朋也! か、顔が近いわよっ!」











































あとがき



 ○十七歳外伝、スパッツ編でした。
 元々成長した○のコスチュームとして、Tシャツにスパッツというは完全に私の趣味だったんですが、気がついたら違和感がまったくなくて我ながらちょっとびっくりしています。
 ……さて次回は……未定ですね;




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