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このお話は、AngelBeats!最終話話まで視聴されていること前提で書いてあります。

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「ユイのゲリララジオ、略してゲリララ! 本日のお便りは――
『ユイさんこんばんは』
 はいこんばんは〜。
『ユイさんの今年の抱負は何ですか?』
 あー、死んでるのに抱負も何もあったもんじゃない――」
「おいおい、それは駄目だろ」
「というアシスタントの音無先輩から突っ込みが入ったので、強いて言うなら……紅白に出場ですかね?」
「ちょいまてい」





























































































  

  


 一言で言うと、盛況であった。
 過日、音無達SSS(スルーする スキルが 少し足りない)が地下の大プールで巨大なタコをしとめたことがあった。
 その処分に困った一同が考えついたのは、いつかの川の主のように一般生徒に振る舞うこと。
 そこで、たこ料理の屋台である。
 メインはもちろん、たこ焼きであった。
 前回の川の主のときはその場で作って振る舞っていたためなかなか列が途絶えなかったが、今回はギルド謹製のたこ焼き作成マシーン(一度に256個作れるすぐれもの)が納入されたため、作業は割と楽であった。これに定石通りのソース、さっぱりとしたポン酢、渋さが光る薄口醤油などが選べるようになっており、さらには沢から採れた山葵と和えたたこわさ、一緒に炊き込むことにより香りと風味を閉じこめた蛸飯、正月には欠かせない酢蛸など、他の料理も取り揃えていた。
 だからなのであろうか。
 その盛り上がりっぷりは前回のそれを完全に上回っており、結果として前回のように行列が形成されてしまったのである。
「音無ー! たこわさ追加で頼むー」
「了解ー!」
 現時点でのシフトで采配を握っているのは、SSSのナンバー2、日向であった。
「藤巻はそろそろポン酢が切れるから補充の用意〜」
「あいよ」
「大山は紅ショウガっ」
「わかったよ」
「んでTKはタコの切り身な!」
「All right! Heart catch pretty cure!」
 そう各所に指示をとばしながら、日向はカウンターで注文を捌いているSSSの一般メンバーと一緒に一般生徒との応対を続けている。
「日向、たこわさの補充が終わった。俺もそっちに回るよ」
「サンキュー音無、助かるぜ。さっきからかなでちゃんみたいな子が数分おきに来るから大変でさ」
「かなでみたいな子……?」
 大きめのタッパーに入ったたこさわを、1人分にする作業を行っていた入江と関根に渡してきた音無がグラウンドに出来ている行列を眺める。
「……なぁ日向、これって」
「な、かなでちゃんみたいなのがいっぱいいるだろ」
「いや、これってかなでみたいなのじゃなくて、かなでそのものじゃないか?」
「……え?」
 その通りであった。



『天使達でいっぱい』



「何言っているんだ音無、普通の生徒だろ」
「いやいやいやいや……髪型、変えているだけだから」
「そんなっ――!」
 いつの間にか戻ってきていた大山がショックを受けたかのようにそう呟く。
「き、気付かなかったぁ――!」
 同じように、藤巻。
「It's a shock! you are shock!」
 最後にTKが頭を抱えて、そう叫ぶ(?)。
「え、まじで?」
 ノリでつきあっているのだと思っていたのだが、真面目に落ち込んでいる様子の同僚にかえって驚いてしまう音無。
「アホですね」
 調理班のユイが騒ぎを聞きつけて顔を出し、そう呟いた。
「安心してください、音無さん」
 そこへ、外出していたらしい直井が屋台に入ってくる。
「少なくとも僕は気付いていましたから。後、そこの楽団のも気付いていたようです」
 そう言いながら音無の隣に付き添う直井に、楽団って言うな、バンドと呼べー!と、ユイが叫ぶ。
「良かった、直井は気付いていたんだな」
「ええまぁ。一応あいつの能力は把握していますから」
「んじゃ、なんで誰にも指摘しなかったんだ?」
「やだなぁ音無さん」
 照れたように笑みを浮かべて、直井は続ける。
「音無さんの顔を立てるために決まっているじゃないですか」
「あ、うん。ありがとうな……」
 だが出来れば皆に周知して欲しかった音無である。
「それにあいつ、ただ単に分身したわけじゃないみたいですからね。何をしようとしているのか確認しておくためにも、泳がせておいたんですよ」
「そうだったのか……」
「もちろん、最優先事項は音無さんの顔を立てることですけどねっ――!」
「あ、うん。それはもういいから」
 仮に俺が先に成仏したら直井はどうなるのか、結構不安になる音無であった。
「まぁとにかく、ちょっと止めないとな。在庫が無くなると困るし」
 今のところ材料はまだ潤沢であったが、このままかなでが増え続ければ、どうなるかわかったものではない。そう判断した音無は机を並べて作ったカウンターからグラウンド側に出ると、
「おーい、かなで」
 行列に向かって、そう声をかけたのだった。
 途端、列に並んでいた生徒の半分が音無を見た。ここまで来ればもはや間違いはあるまい、かなでであったのだ。
 言うまでもない話であるが、かなでの持つ分身するスキル『ハーモニクス』である。
「――あ」
 ところが、本人(達)はそうでもなかったらしい。現に、音無に一番近かったかなでが、口許を手で隠している。
「……あのな、かなで」
「どうして、わかったのかしら」
「いや、気付いたのは音無だけだ……」
 カウンターに残っていた日向が、重苦しい様子でそう言う。
「そう。さすがは結弦ね」
「おかしいのは俺か? 俺なのか?」
「見事だわ、結弦」
 きりっとした貌で、かなで。
「天使と呼ばれていてもアホはアホなんですね」
「身も蓋もないな……」
 そしてこちらは辛辣なユイである。
「よくわかったわね。ちゃんと、髪型を変えておいたのに」
 そういうかなでは、なるほど確かに三つ編みお下げである。
「……ああ。その、ハーモニクスだけじゃ駄目ってのはよく気付いたなと言える」
 ため息をつきながら、音無。
「でも髪型を変えただけじゃ丸わかりだろ」
「たこわさひとつ」
 その流れを無視して、ソバージュにしたかなでが注文していた。
「たこわさひとつ」
 同じように、シニョンにしたかなでが後に続く。
 そう。その間にも、かなで達がたこわさを注文していたのである。
「お前らもだぞー」
 振り向いてそう指摘する音無に、一斉に動きを止めるかなで達。
「迂闊だったわ」
 ソバージュにしたかなでがそう言った。
「髪型だけじゃ駄目なのね」
 シニョンにしたかなでがそう頷く。
「だから鼻眼鏡をかけろと言ったのよ」
 先のふたりに、三つ編みのかなでがそう指摘した。
「そう言う問題じゃないからな」
 呆れたかのように、音無。
「どういうこと?」
 最初の三つ編みかなでが、そう訊く。
「同じ声なんだから、わかるに決まっているだろ。そう言うときは、声音とか、服装を変えないとさ」
 そう言ってしまったことを、後ほど後悔することになる音無であった。



■ ■ ■



「へぇ、そんなことがあったの」
 SSSのリーダーであるゆりが、遊佐を伴って屋台を訪れたのは、それから数時間後のことであった。
「なんていうかさ、髪型ひとつで騙される俺達って――」
「安心しなさい、音無君。わからないほうがどうかしているわよ」
 まぁそのどうかしている集団の親玉だけどね、あたし。と、ゆり。
「それでかなでちゃん達、帰ったの?」
「ああ。どうにかな」
「そう――それじゃ、そろそろ代わりましょうか? だいぶ列も少なくなっているからあたしひとりでも出来そうだし、後から野田君や松下五段も来るし」
「そうだな、お願いしようか――」
 音無がそう言って、着けていたエプロンを外そうとしたとき――。
「うぐぅ、まってー!」
 聞き慣れない、声が響いた。
 音無もゆりもその声の主の方に視線を向けて――硬直する。目の前にいる聞き慣れない声の持ち主は、見慣れたかなでであったからだ。
 ただし、頭にカチューシャを装着し、ダッフルコートにミトン、さらには羽の生えたリュックを背負っている。
「……どちらさま?」
 と、ゆり。
「ボク? 月宮かなでだよ」
 小首を傾げて、そう答える。一応かなででは、あるらしかった。
「そんなことより、たこわさひとつー!」
「あ、ああ。ちょっとまっててくれ、な?」
 慌てて音無が用意する。
「うぐぅ、ありがとー!」
 そう言って、ダッフルコートのかなでは校舎の中へと帰っていた
「……何? 今の」
「さ、さぁ……かなでの、そっくりさんかな……」
 世の中には同じ顔が三人はいるって言うけど、死んでもそうなのか――と、音無。
「まぁとりあえず、今度こそ代わって――」
「ま、まってー」
 ふたたび硬直するふたり。
 今度はポニーテールである。夏服だか冬服だかわからない(袖が短いので夏服であろうか)、独特な制服に身を纏っている。
 そして、声がいつものかなでや、先ほどのかなでとも違っていた。
「え、ええと……」
 対応に困る音無。
「わたし? 神尾かなでです。にはは」
 聞かれてもいないのに、そう答えて笑うかなで(?)。
「あー、たこわさでいいのかな?」
「ぶい!」
 で、あるらしかった。
「……おかしいわよ」
 校舎へと戻るポニーテールのかなで(と名乗った人物)の背中を目で追いながら、ゆりがそう言う。
「ああ、おかしいな」
 見た目がかなでなのに、声が違うとすごい違和感だ……と、音無。
「これは何かの異変が起きていると考えるべきね。至急ミーティングの準備を――」
「「すみませーんっ」」
 今度はふたり同時に駆け込んできた。片方はタートルネックにセーラーとブレザーを掛け合わせたような制服を、もう片方はブラウスの上に白いセーターと、よく見かける制服に身を纏っている。そして片方は赤い髪飾りを、もう片方は星と鈴をあしらった大きめの髪飾りを左右に着けていた。
「ふ、古河かなでです。たこわさっ!」
「こんにちはー、神北かなでだよぉ」
「あー、うん。もう名乗らなくてもいいかな……」
 言うまでもなく、声は違えども顔形はかなでのままであったのだ。
「……遊佐ちゃん」
 傍らに控えていた連絡役に短く声をかけるゆり。
「もう少し、様子を見た方がいいかと」
 対するリーダーへの返答もまた、簡潔なものであった。
「おそらく、まだ来るものかと」
「まぁ、もう何が来ても驚かな――」
 肩をすくめて音無が言いかけたときである。
「たこわさがいかがでしょう?」
「……なに?」
 声のした方、屋台のカウンターの斜め前を、身を乗り出して覗き込む音無。するとそこには――、
「たこわさはいかがでしょう? 何処までも輝く海の幸と山の幸のハーモニー、タコが醸し出す汐の香りとぴりりと効いた山葵の辛味が皆様をお待ちしています。たこわさはいかがでしょう――」
 何ともいえない格好をしていたかなでが、自ら宣伝をかってでていたのであった。もちろん、今までのどのかなでとも声が異なっている。
「……どういうことよ? なんか段々派手になってない?」
「そんなこと言われても……」
 それでもこれはまだ、序の口であったのだ。
 それからも次々と、どこか変わったかなで達が押し寄せてきたのである。
 例えば――、
「平野かなでです。只の生徒には興味がありません。この中に柔道家、忍者、ダンサーが居たら私の処に来なさい。以上」
「く、釘宮かなでよ。別にアンタのために名乗った訳じゃないんだからね! そこのところ、勘違いしたら許さないんだから!」
「こんにちは、中島かなでです。キラッ☆」
「やっほー、遠藤かなでよ。みんな、文化してるー?」
「田中かなでよぉ……乳酸菌とってるぅ?」
「沢城かなでなのだわ。だっこして頂戴」
「桑谷かなでですぅ! おめーらさっさとたこわさ寄越すですよ!」
 ここら辺はまだいい方で、
「ふはははははは! 我が名は福山かなで! そのたこわさを戴こうか!」
「たこわさか。乙女座生まれの私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいられない! ……失敬、我が名は中村かなでだ。またの名を、ミス・ヒメ!」
「オレの名前は宮野かなで! またの名を――颯爽登場っ! 銀河美天使! ウルトラマンガンダム!」
 と、さわやかな青年声のかなで達がいたり、
 オールバックの、
「井上かなでです。明日また来てください。本当のたこわさというものを、お見せしますよ」
 バッハみたいな髪型の、
「若本かな〜で、であるぅ。たぁこわさで一杯、どうだいフグタくぅ〜ん?」
 バンダナを巻いた、
「大塚かなでだ。これよりミッションを開始する。ターゲットは……たこわさ!」
 等々、妙に渋い声のかなで達などがひしめきあいはじめたのだ。
「こ、これは……」
 もはや、為す術がなかった。
「……なんか、あほらしくなってきたわ。後はよろしくね、音無君。行くわよ、遊佐ちゃん」
「はい、ゆりっぺさん」
 つきあいきれなくなったらしい。ゆりはそう言って校舎へと戻っていった。あとはごゆっくりーと言い残して、遊佐がその後に続く。
「まぁ、頑張れ」
 と、残っていた日向が激励する。
「そうです。僕とトイレットペーパーがついてます」
 直井が大きく胸を張る。
「おもしろそうなんであたしは見てるだけで」
 無責任なユイであった。
「あんた達も来るの!」
 回れ右して戻ってきたゆりが、三人の首根っこを掴んで引っ張っていく。
「音無君、とりあえずかなでちゃんを説得しなさい。これだけ大勢いるんだから、誰かひとりくらい話の通じる子がいるでしょ」
「そ、そうかもしれないが……」
 筋肉筋肉ぅ! とか、ぽんぽこたぬきさんとか、いやっほう! 国崎最高! とか謎のかけ声が飛び交う行列を眺めながら、音無。
「どうにかしないのか? ゆり」
「無理よ、ここまで居ちゃったらね。へんてこになっているとはいえ、戦闘力が劣っているとは限らないわ。ひとりでもあたし達SSSと対等にやってきたかなでちゃんがこんなにわんさか居たら、全滅必至でしょ」
 素っ気は無いが、的確なゆりの観察眼であった。
「だからここは音無君、貴方の交渉術に頼るしかないわ。どうにかしてかなでちゃんを説得して、この騒ぎを鎮静化してちょうだい。――吉報を待っているわ」
「……わかった」
「ん。頼んだわよ」
 そう言って、ゆりは遊佐を伴い――そして日向や直井やユイを引きずりつつ、自らの居城である対天使対策本部へと帰っていた。
「――まぁある意味、気楽っちゃ気楽か」
 思わず、肩をすくめる。現在屋台には音無ただひとり。誰かを巻き込むことはまずあり得ない。
 つまり、音無のやりたいようにやっても問題は無いということだ。
「……ありがとな、ゆり」
 一言そう呟き、音無はゆりの采配に感謝する。そして小さく息を吸うと、
「えーと、この中に普通のかなでさんはいらっしゃいませんかー?」
 極めてオーソドックスな手段に出たのであった。
「かなでさーん、普通の立華かなでさーん?」
 フツーって言うなあ! とかなでのひとりがそう叫んだが、やがてかなでの集団から、ひとりのかなでが進み出た。普段通りの、かなでである。
 ただし、変装のためか鼻眼鏡をかけていた。
「……本物、だよな?」
 かすかに喉を鳴らしてから、音無。
「どれも本物よ」
 こちらはいつもの声で、鼻眼鏡を取りつつかなで。
「ややこしいな――ってどういうことだ?」
「マスターが何らかの理由で消滅した場合、スレーブがその代わりを務めるの。優先順位はもっとも古くハーモニスクした順」
「なにそれこわい」
 事実上、ひとりでも生き残っていればまた増やせるということである。
「記憶は共有しているから問題はないわ……今風に言うと――大丈夫だ、問題ない」
 親指をぐっと立てて、かなでは得意気にそう言った。
「いや、そこは一番いいのを頼む――じゃなくてだな」
 ぽんとかなでの肩を叩いて、音無。
「なぁ、かなで。たしかに俺は服装とか声音とか言ったよ……だけどな」
 わらわらといるかなで達に目を向けて、音無は続ける。
「声がまるで違うじゃないかっ!」
「すごいでしょ。ハーモニクスを改良したの」
 僅かに胸を張って、かなで。
「そこまでしてたこわさをゲットしたかったのか?」
「ええ、そうよ」
「なんでまた」
「前にも言ったけど、前は刺激の強いものは止められていたのよ。それに――」
「それに?」
「それに、結弦やゆりと一緒に手にしたものだもの」
「そうか……」
 音無の貌が、ふっと緩んだ。かつての直井の騒動や、川の主の件等で一緒に行動したときはいつのまにか立ち去っていたため、一緒に行動したことをどう思っていたのか気になっていたのである。
「でも確かに――多すぎたわね」
 後ろを振り返って、かなで。
「ああ、そうだな」
 もはや、グラウンドで待機している生徒の大半――というより9割がかなでであった。
 中には、「ここであったが百年目! 観念なさい、棗かなで!」「かかってこい! ざざぜが――さしすすせ――かきくけかなで!」と、殴り合っているかなで達もいる始末である。
「これだと寡占にも程があるかしら」
「ある意味もう独占と変わらないと思うが……いやまぁ、もういいよ。在庫もたくさんあるしさ」
「本当っ?」
「んん〜ぅ、若本かなでお兄さん、ちょっと惚れてしぃまぁいぃそぅっ!」
 バッハみたいな髪型の(鬘だと信じたい)かなでが乱入してくる。顔がかなでなままである分、インパクトが大きかった。
「ひとつだけ、指摘しておきたいんだが」
 そんな濃ゆいかなでを脇に押しやり、音無。
「なに?」
 一緒になって押しやりながら首を傾げるかなでに、音無は心配そうに、
「集合した際に、ちゃんと元の声に戻れるんだよな?」
 かなでの動きが、ぴたりと止まる。
「……盲点だったわ」
「おーい、かなでさーん!?」
 一斉に、他のかなで達がそっぽを向く。
「大丈夫、また戦ってみせるから。そして必ず帰ってくるわ。だから結弦――」
 音無を見上げて、かなでは続ける。
「だから結弦、応援していて」
「……わかった。頑張れよ」
 こうして、101人かなで大行進は幕を閉じた(実際にはもう少し多かったらしい)。
 ただその後しばらく、かなで自身の声が日替わりで変わるという割と愉快な事態が起きたのが、当人は割とお気楽であったという。



Fin.




あとがきはこちら








































「……で、やっと元に戻ったか」
「壮絶な戦いだったわ」
「だろうな」
「でもおかげで、かなでオブかなでの称号をもらったわ。これからのあたしは――そう、Kかなでとも呼ぶべきかしら」
「……かなでファイト?」
「ええ。脳内がリングよ」
「端から聞くとすごく嫌な戦いだな」
「マスターかなでが強敵だったわ」
「ああ、それはまた戦いにくそうなかなでだなぁ……」
「謎のゲルマンくのいちかなでのお陰でどうにか勝てたわ」
「それ椎名じゃないか?」
「でも最後に控えていたデビルかなでが――」
「どんなかなでだよ」
「まぁ色々あって希望の未来へレディー・ゴー! よ」
「もうどこから突っ込めばいいんだ……」



「……あれ? もしかしてあのピチピチなファイティングスーツ着用か?」
「当然よ」
「いや、なんでも……(見てみたかった……)」











































あとがき



 AngelBeats! 天使増殖編でした。
 実際に声がついたらどんなふうになるのかを考えながら書いてみました。仮に声を当てるとしたら……アフレコルームが満員になりそうですねw。
 さて次回は……未定です;

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