『願いを叶え、いつの日か』(1999.09.02)

 日曜の昼下がり、そこそこにぎやかだが基本的に静かな商店街の一角が、今日はやたらと騒がしかった。午後の日差しに照らされた看板には、『鶴ヶ丘商店街福引き会場』とある。
「当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれぇ~」
「当たって当たって当たって当たって当たって当たって当たってたー様といや~ん」
「は~いお二人さん、残念賞のティッシュね~」
 七梨太助、慶幸日天ルーアン撃沈。 続きを読む →

『風邪にご用心!』(1999.02.01)

「くしゅん!」
 初めはそんな軽いくしゃみだった。昼下がりの(学生たちに言わせれば、遊び時の昼休みの)教室の中である。
「どうしたシャオ、風邪でもひいたか?」
 自分の席に座っていた彼女に、隣の席に座っていた翔子がそう聞いた。
「いえ、そういう訳ではないと思いますけど──くしゅ!」 続きを読む →