『サンタコス、上から見るか下から見るか』(2017.12.23)

「ちわーす! 岡崎、汐ちゃん、メリークリスマ——」
「だーかーらー、こういうときはズボンいらないのよ! そのために裾長くしたんだから!」
「だめだ! 汐のサンタ服には色気とかアピールポイントとかそういうのは要らん! 絶対にズボンをはかせるぞ!」
「おふたりともわかっていません。サンタさんの衣裳には黒タイツです」

「なにさこれ」
「あ、春原のおじさまいらっしゃい」
「汐ちゃん、なんで杏と岡崎と風子ちゃんが三つどもえになってるの」
「ええっと、今度商店街のクリスマスフェアでわたしがお手伝いすることになったんですけど、その衣裳が上着だけにしか見えないデザインだっておとーさんがわかったらガチ切れしちゃって」
「それで杏が説得しにきたってこと?」
「はい、火に油注いじゃってますけど」
「んじゃ風子ちゃんは?」
「ふぅさんはただ単に自分の趣味を主張しているだけです」
「ふむ……なるほどね。だいたいの事情はわかったよ。サンキュー汐ちゃん。んじゃ、いっちょやるか」
「なんとか——できそうです?」
「まぁね、やるだけやってみるよ。——なぁ岡崎」
「春原か。お前ならわかるだろ。汐が太ももをあらわにする格好なんて、聖なる夜にはふさわしくないってことが——」
「渚ちゃんにサンタルック着せるとき、下に何をはかせるかで随分盛り上がっていたのに?」
「そ、そこでそれを持ち出すかおまえー!」
「持ち出すさ。たまたまそれを聞いた渚ちゃんが何を選んだかもね。あのときは素足と網タイツと黒タイツが出てきたんだけど」
「——お母さんは、何を選んだんです?」
「白タイツ。たまたま僕と岡崎が盛り上がったものの中に入ってなかったんだ。だから渚ちゃん、フォルムだけあわせて色は自分の好みに合わせたんだよ」
「それじゃ、もう決まりですね。おとーさんも、それでいい?」
「う……汐がそれでいいなら」
「じゃあ決まり! 藤林先生、商店街には白タイツ追加って伝えてください。なんだったらこっちで準備しますんで」
「おっけー」
「ふぅ……やれやれだね」
「ありがとうございます、春原のおじさま」
「なぁに、僕だって渚ちゃんの誕生日に言い争いなんてみたくなかっただけさ」

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