ドラテクその11


<タレないために(2)>

 みなさんは、ハンドルをどうやって握っていますか?

 私はNBの時とNAの時とでは握り方が変わっていました。よく覚えていないのですが、どうも自然に変わってきたのではないかと思いますが、結果としてタレにくくなったと思います。
 私はNBのころは、図1-1、図1-2のような握り方をしていました(握り直さず、腕を捻るようにしてアクセルを回す)。
 そして、NAの時は図2-1のような握りで、長いストレートの前のコーナーでは、アクセルを開ける前に図2-2のように深く握り直していました(手首を折ってアクセルを回す)。

 
図1-1        図1-2


 
図2-1        図2-2


 図1-1、図1-2の握りの利点としては、

・アクセルをまわしても肘が下がりにくく左右のバランスを崩しにくい。
・繊細なコントロールがしやすい。

 欠点としては、

・常に肘を外側に張るような姿勢になってしまい、体を後ろに持っていこうとしても、腕をまっすぐ伸ばすことができないので、移動できる範囲が小さくなる。
・アクセルを回す力が弱く、腕上がりをおこすとアクセルを開けられなくなる。

が考えられます。


 図2-1、図2-2の握りの利点としては、

・腕をまっすぐ伸ばすことができるので、体を後ろに移動できる範囲が広い。
・深く握り直すことによって「自然な姿勢 = アクセル全開」にできるし、その時のアクセルを回す力も大きいので、腕上がりをおこしてもアクセルを開けやすい。

 欠点としては、

・アクセルを握り直さないと、アクセル全開にしにくい。
・アクセルの開け閉めでフォームが崩れやすい。

が考えられます。

 これらの特徴を考慮すると、体力が余っているうちは、図1の握りの方が優れているかもしれません。しかし、図2の握りでも同等の走りをすることは可能ですし、それよりなにより、腕上がりをおこしてもアクセルを開けられることの方が重要です。腕上がりを起こすと、どのみち繊細なコントロールはできなくなるのでコーナーは遅くなってしまいますが、アクセルを開けることさえできれば、ストレートは速く走れますし、クラッチである程度コントロールもできます。


 そしてもう一つ重要なのは、体の移動範囲を大きくとれることで、体力の消耗を抑えられる点です。

 モトクロスでは、加速時、減速時とも腕の力に頼らなくて済むポジションに移動しなければなりませんが、どちらをより重要視すべきかと言うと減速の方でしょう。というのは、加速は多くの場合座って行うことができ、この場合完全に体が遅れてさえいなければ、前傾度が多少理想的な角度からずれていても耐えられるからです。しかし、減速はほんの少しギャップがあるだけでもスタンディングで行う必要があり、スタンディングにおいては減速Gと体の移動量のバランスが少しでも崩れると、即腕に負担がかかるからです。

 体を後ろに持っていきやすいということは、大きな減速Gがかかるシチュエーション(ブレーキング、バンク進入、ギャップ進入、ジャンプ着地等)でもバランスを崩しにくく、体力を消耗しにくくなる訳です。


 タレにくく、なおかつタレてもアクセルを開けられる握り方。ハンドルの握り方一つでレースの成績がよくなるのですから、ぜひ変えるべきと思います。

 できればハンドルを絞りのきついものに交換したり、手前に倒しぎみにしたりして、より腕を長く使えるようにすることをお勧めします。

 まあ、肘を張るフォームの方が格好はよいですが。(^^;



top