ドラテクその1


<シフトアップ>

速い人と一緒に走ると少しづつ離されてしまう。でも、ジャンプは同じ飛び方をしてるし、コーナーリングスピードもさして変わらない。セクション毎に見る限り自分と速い人の違いが分からない。だから行き詰まっている。
そんなあなた。シフトアップの時、一瞬アクセルを戻していませんか?

シフトアップには、
a:アクセルを一瞬戻しながらノークラッチでやる方法と、
b:アクセルを戻さずクラッチを切ってやる方法があります。

初心者の方や街乗りをされる方には、aの方法をお薦めしますが、レースに参戦するのなら、絶対にbの方法が有利です。その違いは1回当たりではコンマ何秒かのわずかな差しかありませんが、1周あるいは1レース中のシフトアップ回数を考えると、その差はばかにできないものとなります。
シフト回数の多い125ccに乗って、登りのストレートでaの方法を行うことは致命的です。

冷静に考えてほしいのですが、超人的な走りをする国際A級ライダーでも、みなさんの2倍のスピードで走れる訳ではありません(ダブルジャンプ等、みなさんが意図的にアクセルを戻すセクションを除く)。
では、なぜあれほど歴然とした差が生じるのか。
それは、シフトアップや、バンクに当ててからマシンが安定するのを待って加速を開始するまで、等の僅かな時間の差の積み重ねなのです。人より速く走ろうとするのならば、一瞬たりとも無意味な時間を作ってはいけません。コーナーへ進入するときはアクセルを開けたりもどしたりしない、ストレートに出たら一瞬たりともアクセルを戻さない(加速をゆるめない)といったメリハリが必要です。
中途半端なアクセル開度で長時間アクセルをあけるよりも、一瞬でもよいのでアクセルを全開にする、といった感覚も必要です。

コーナーリングスピードなどでコンマ何秒稼ぐことの難しさを考えれば、今すぐにでもbの方法に切り替える必要があることがお分かり頂けたと思います。

今度コースに行ったら、IAライダーのエンジン音を聞いてみましょう。いつシフトアップしているのか分からない程、エンジンが唸り続けているはずです。